社会保険労務士受験に必要な知識のまとめを「参考書よりわかりやすく」お送りします。
今回は、雇用保険の被保険者です。
雇用保険は「保険」なので、保険の対象になる人「被保険者」が存在します。
被保険者は自動車保険の「等級」のように、分類がされており、雇用保険の場合、その種類は4つあります。
では雇用保険の被保険者の種類について見ていきましょう。
1 一般被保険者
一般被保険者は、名前の通りよくある雇用保険の標準的な被保険者です。
その細かい条件は以下の3点です。
①週の所定内労働時間が20時間未満
雇用保険は、失業した際の「生活保障」が制度の目的です。
週20時間未満しか働いていない人は、そもそも生活を維持するほど働いていないだろう。
だから失業したところで生活は変わらないから保障しない。というのが制度の立て付けです。
資産があるために趣味で働いている人や、パートの主婦などが該当します。
「いやいや、パートの主婦だって生活のために必死に働いているわ!」とは思うのですが…
※ちなみに令和10年(2028年)10月から下限20時間は10時間に変更されます(令和8・9年の試験には出ません)
②31日以上雇用されることが期待されるもの
これも理由は①とほぼ同じです。
タイミーのようにパッと思い付きで働いているだけの人でも雇用保険の給付を目当てに制度を濫用することを防止する意味合いも含めています。
③2)~4)の被保険者以外のすべての被保険者
なんじゃそれ、と思うかもしれませんが、基本的にすべての労働者が一般被保険者に該当し、2)~4)の条件に該当する被保険者がそれぞれの分類の被保険者になると考えるとわかりやすいでしょう。
例えば、①、②の条件に該当しても、2)高年齢被保険者等に該当する場合があります。
2)高年齢被保険者
65歳以上の被保険者は「高年齢被保険者」となります。
条件はこれと、3)4)の被保険者ではないことです。
名称は「高齢」や「高齢者」ではなく「高年齢」であることに注意してください。法令用語です。
2ー2)特例高年齢被保険者
「被保険者は4種類」と言いましたが、やや嘘があることをお詫びしないといけません。
枠としては高年齢被保険者ですが、特例が存在します。それが「特例高年齢被保険者」です。
65歳以上になると、フルタイムで働くことは減り、いくつかのパート・アルバイトを掛け持ちで短時間働く人などが増えます。
こうした人々は、年金の足しとして働いている人も多いため、若い人とは事情が異なり、それぞれの仕事が週20時間に達していなくても、生活の足しにしている場合があります。
そういった人たちにとっても「生活保障」たる雇用保険が機能するように、特例枠が用意されているわけです。
…うーんまぁ、私見ですけども、そのための年金があるわけですし、ほかの保険事故と違って「高齢」は100%予測可能な事態。制度が複雑化するのでこういう制度はいらないと思うんですが…そうはいってはいらられないので覚えましょう。
3)短期雇用特例被保険者
「季節雇用労働者」が属する分類です。
「季節的に雇用されるもの」とは、季節、天候その他自然現象の影響によって一定の時季に偏って行われる業務に雇用されるものを言う。例えば北海道で冬だけ雇われる除雪作業員等をいう。
短期雇用特例被保険者の条件は以下の通りです。
季節労働者は働くシーズン以外は仕事がないのが当たり前です。
なのにその「仕事がない期間」を失業と定義して雇用保険を給付してしまうと不公平感が否めません。
このように、給付金目当てに加入され、制度を濫用されるのを防止するために「給付金目当てでなく真剣に働いている人」であることを見分ける意味で、このような規定が設けられているそうです。
ちなみに、契約更新が続いて、この期間が1年を超えると、「一般被保険者」に、その人が65歳以上であれば「高年齢被保険者」に切り替わります。
4)日雇労働被保険者
その名の通り、日雇で働いている人の入る被保険者の種類です。該当するには条件がありますが、日雇の場合は「場所」に要件が限定されています。
場所に限定している理由は、日雇労働は、失業の認定を受けようとする日に日々公共職業安定所(ハローワーク)に出頭しなければならないため、出頭が可能な地域に限ることとしているためです。
そのため「適用地域」や「厚生労働大臣が定める区域」は、告示で定められており、鉄道や車でハローワークへ通うのが難しくない地域のことです。
ちなみに、その区域は①ハローワークの所在地から昭和58年労働省告示7号のエリアを差し引いた地域、②昭和58年労働省告示8号の地域です。また、3の厚生労働大臣の定める区域は、現在は設定されていません。

