「何度も同じことを言う」は認知症?不安を感じている人へ対応方法を紹介

介護

家族が同じことを言うことが多くなった

ご家族にそのような症状が出た場合、不安になりますよね。

また、その都度対応しても、また聞いてくることに対してイライラしストレスになりますよね。

  • 「何回も同じことを聞かないで」と怒鳴ってしまう
  • 無視をしてしまう

なんてこともあるでしょう。大変お疲れ様です。

同じことを言うことが増えたりする要因にはどのようなことが考えられるのか、ここでは要因とともに対応方法について紹介します。

何度も同じことを言う要因

「何度も同じことを言う」のは

  • 加齢による影響
  • 認知症の症状

が考えられます。

加齢に伴う聴覚機能の変化

人間は、加齢に伴う聴覚機能の変化により、相手との会話も聴き取りづらくなります。

自分が言ったことが相手に伝わっているのか

という不安から、言ったことを繰り返し伝えている可能性が考えられます。

加齢に伴う記憶する能力の低下

情報など新しいものを覚える能力などの機能は加齢とともに低下するといわれています。

それに伴い、もの忘れなどが増えてしまい「まだ話していなかったかな」と考えて同じことを話してしまっていることも要因として考えられます。

認知症の症状の疑い

認知症になると、その症状の1つである記憶障害により、数分前に話した内容などを記憶することが難しくなります

これが原因で「同じ話を繰り返し話している」ことも考えられます。

下記のような症状が最近見られることが多いと感じた際は、医療機関への相談も検討しましょう。

<症状check>

  • もの忘れや物の名前を忘れることが多くなってきた
  • 新しいことが覚えにくくなっている
  • 数分経つと経験した出来事を忘れてしまう
  • 難し目のことができにくくなっている

認知症と加齢の「物忘れ」の違い

加齢も認知症も、どちらも「物忘れ」が症状となることがあります。

ですが、両者には違いがあります。

認知症は体験そのものを忘れる

認知症の物忘れの場合、体験の一部ではなく、体験そのものが抜け落ちてしまうことが多いです。

加齢の場合、以下のように、全体は覚えています。

加齢の物忘れの例ポイント
夕飯何食べたっけ?夕飯の体験自体は覚えている
あの人名前なんだっけなぁその人会ったことがある」ことは覚えている

ですから、物忘れを指摘すれば思い出せるケースも多いです。一方認知症は、

認知症の物忘れの例ポイント
夕飯を食べたいんだけど夕飯を食べるという体験自体が抜け落ちている
(この人だれ?)となる「その人に会ったことがある」こと自体忘れている

といった「そもそも」を忘れてしまいます。

認知症は物忘れを受け入れられないことが多い

認知症は、加齢による物忘れと違い、忘れていることを指摘しても受け入れられないことが多くなります

なぜなら、体験そのものが抜け落ちれば、「夕飯の時の会話」など、思い出すためのヒントの数も少なくなるため、本人が「忘れている」という感覚がないことが多くなるからです。

忘れている自覚がない人に「忘れている!」と指摘しても、受け入れられないことが多いのです。

これは正常な私たちもそうでしょう。いきなり身に覚えのないことを言われたら誰だってムッとするはずです。認知症にかかっている場合はそのような心理状態にあるということです。

何度も同じことを言うことへの対応の3つのポイント

ここからは、多くの方が悩まれている認知症がある人の「何度も同じことを言う」ことへの対応方法を紹介します。

1)訴えていることの理由を探る

何か不安などがあると「本当にこれでよいのか」と安心を求めて、確認したくなりませんか?

「何度も同じことを言う」のは、その思いの現れかもしれません。

その場だけの対応にせず、不安に感じていることがあるのか、訴えをとおして何か別のことを伝えたいのか、ふだんから生活の中での言葉や行動に目を向けていくことが大切です。

2)不安、不快感を無くしてあげる

例えば、数分前にトイレに連れて行ったあとにもかかわらず、何度も「トイレに連れていって」と言われても、

認知症だからわからないんだ

と判断しないことです。

これは、例えばですが実は、

  • 残尿感があって漏れないか不安
  • 下着の位置がズレていて不快に感じている

のに、認知症のためにうまく表現ができていないだけかもしれません。

このように、思い込みでかかわらずに、不安、不快に感じている部分を探してみることからはじめてみましょう。

3)真摯に対応し、あからさまな嘘はつかない

うっとおしいからと、邪険に扱えば、さらに対応が必要になってしまうケースもあります。

認知症となっても「嫌な思いをした」といった感情的な思いは比較的症状が進行した後も残ってしまいます。

よくやりがちですが

  • 「さっきも食べたじゃないですか」
  • 「もう終えていますよ」

などと言葉だけ返すようなやり方であれば、嘘をつかれたことへの不満が募ってしまいます。

「なぜ何度も訴えているのか」を疑問にもち、その原因が解消に努める真摯な姿勢が大切です。

ただ、過剰に対応しすぎるのも介助者の疲労につながります。限界を感じたら迷わず医師やケアマネジャーに相談することも重要です。

まとめ

どのような要因であっても、対応する際に「言ってもすぐ忘れるから」という姿勢でいると、本人も辛ければご家族も辛いでしょう。

そのため、本人の放つ言葉どおりにとらえずに、その言葉や行動の背景にはどんな理由があるのかを考えることが必要です。

本人の思いを知ったり、理解できたりすることで、

  • どのようにかかわるとよいのか
  • 今どんなことを考えているのか
  • どのような思いなのか

などを察しやすくなります。それは、対応に悩んでいる自分自身をまずは落ち着かせることにつながります。

▼参考文献