本記事では、ケアマネジャーになるために必要な受験資格や試験の詳細、どんな勉強が必要か、そして資格取得後の更新についてなど、初めて調べる人にもわかりやすく解説します。
ケアマネジャー(介護支援専門員)とは
ケアマネジャーは、法律上は「介護支援専門員」といい、介護サービスを利用する人の相談に応じ、ケアプラン(介護サービス計画)を作成する専門職です。
主な仕事は次のとおりです。
- 利用者や家族との面談
- ケアプランの作成
- サービス担当者会議の開催
- 介護事業所との連絡調整
- 給付管理業務
- モニタリング(利用状況の確認)
介護職のように身体介護を行う仕事ではなく、利用者と介護サービスをつなぐ「調整役」としての役割を担います。
なお、ケアマネジャーとして働くためには、
- 受験資格を満たす
- ケアマネ試験に合格する
- 実務研修を修了する
- 介護支援専門員として登録する
という流れが必要です。

ケアマネジャーになるための受験資格
ケアマネジャー試験を受けるためには必要な条件(受験資格)があります。
それは、次の①②の条件のどちらかに、5年(900日)の実務経験を満たすことです。
①介護福祉士などの「基礎資格」保有
②相談援助職務の経験
+5年(900日)の実務経験
※介護保険法施行規則第113条の2
※介護支援専門員実務研修受講試験事業実施要綱
自らの業務が実務経験に換算できるかとか、実務経験の換算方法などについてはご自身の職場などにご確認ください。
基礎資格とは
ケアマネジャーの受験にはあらかじめ、医療・福祉系の以下の国家資格が必要になります。
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士
出典:介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第113条の2を参考
上記の医療や介護などにかかわる国家資格を取得しておく必要があります。
なお、ケアマネジャーの創設当初は看護師の受験者割合が高めでした。
現在では介護福祉士が一番多く、例えば28回(2025年実施)の試験では約64%が介護福祉士の方の受験です。
【参考】第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
相談援助職務(基礎資格のない人)とは
ケアマネジャー試験は資格がなくても施設などで相談援助業務を行っていれば、それを受験資格にすることができます。
以下の施設で相談支援業務等を行っていることを言います。
- 特別養護老人ホーム等(地域密着型も含む)
- 介護老人保健施設
- 介護医療院
- 有料老人ホーム(地域密着型や介護予防も含む)
- 障害者への計画相談支援、障害児相談支援、生活困窮者自立相談支援事業
出典:介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第113条の2を参考
ケアマネジャーになるまでの時間
ケアマネジャーの資格取得にかかる日時間は、次の通りです。
| 基礎資格も、 実務経験もない人 | 約8年 |
| 基礎資格があり、 実務経験がない人 | 約6年 |
| 基礎資格も、 実務経験もある人 | 約1年 |
例えば、基礎資格を介護福祉士とすると、介護福祉士の取得に約3年、実務経験5年、ケアマネジャーの勉強に1年で計8年という計算です。
実務経験や基礎資格が既にある人はそこにかかる時間が差し引かれるため、より短い期間で資格取得を目指せるようになります。
ケアマネジャー試験の日程
ケアマネジャー試験は、年1回、例年10月に実施されています。
近年の試験日は次のとおりです。
| 年度 | 試験日 |
|---|---|
| 2025年度(第28回) | 10月12日(日) |
| 2024年度(第27回) | 10月13日(日) |
| 2023年度(第26回) | 10月8日(日) |
毎年大きく変わることはなく、10月の第2日曜日前後に実施されるケースが一般的です。
ケアマネジャー試験の合格率・難易度
ケアマネジャー試験の合格率はおおむね20~30%前後で推移しています。
近年の合格率は次のとおりです。
| 年度 | 合格率 |
|---|---|
| 2025年度 | 25.6% |
| 2024年度 | 32.1% |
| 2023年度 | 21.0% |
| 2022年度 | 19.0% |
介護系資格の中では難易度が高めです。というのも、
- 受験者の多くが現役の介護・福祉職
- 受験資格に実務経験が必要
- まったくの未経験者は受験できない
という特徴があるため、「誰でも受けられる試験で合格率25%」よりは難しく感じる人が多いでしょう
ケアマネ試験は毎年問題の難易度が異なるため、固定の合格点はありません。
その年の試験難易度に応じて基準点が設定されます。
したがって、「何点取れば必ず合格」という試験ではなく、毎年公表される合格基準を満たす必要があります。
ケアマネジャーの資格取得までの流れ
資格取得までは 申し込み → 試験の受験 → 実務研修 の3ステップです。
一般的なスケジュールは次のとおりです。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 6~7月頃 | 受験案内配布 |
| 6~8月頃 | 受験申込み |
| 9月頃 | 受験票発送 |
| 10月 | 試験実施 |
| 11~12月 | 合格発表 |
| 翌年 | 実務研修受講 |
ケアマネジャー試験の申し込みは都道府県単位で行われています。
例えば東京都で申し込んだ場合、神奈川県では受験ができず、東京都でしか受験できません。
試験の案内方法や申し込みの方法なども都道府県ごとに異なるので、ご自身の受験される都道府県窓口でご確認ください。
実務研修受講試験の内容
試験内容は「介護支援分野」が25問、「保健医療福祉サービス分野」が25問の計となっています。
| 介護支援分野 | 保健医療福祉サービス分野 |
|---|---|
| ・介護保険法の概要 ・介護支援専門員の運営基準等 ・加算等、報酬 ・事例問題 | ・疾病、疾患などの医学知識 ・食事、睡眠などの介護知識 ・SWなどの相談援助技術 ・障害者総合支援法等関連法令 |
介護福祉士や社会福祉士の勉強をしている方は重複している分野もあり、受験経験も活かすことができるために有利かもしれません。
おすすめの勉強法については、以下のページもご覧ください。

介護支援専門員実務研修の内容
ケアマネジャー試験は合格後、「介護支援専門員実務研修」を修了しなければなりません。

実務研修は、講義形式と演習形式があり、87時間あります。
1日7時間みっちりやったとしても2週間近くかかります。
ケアマネジャー試験と違い、落ちることはありませんが、修了評価もあるため、しっかりと気合を入れて受ける必要があります。
| 前期課程 | 講義形式 |
| 実習 | 1日、実際の居宅介護支援事業所で実習 |
| 後期課程 | 演習・グループワーク |
ケアマネジャー試験は、法律や医療の知識を覚えるだけだったペーパー試験でした。
それに比べ、実務研修は実際の利用者へのアセスメントの方法やプランニングなども行うため、ケアマネジャーの職種の実務や本質により近いことが学べます。
自分のケアマネジメントスキルの早期熟達のためにも真剣に臨んだ方がよさそうです。
資格の更新について
ケアマネジャー資格は取得して終わりではなく、更新しなければなりません。
介護支援専門員証の有効期間は5年間です。
ただ、法改正により、2027年(令和9年)4月1日から、この要件は廃止される予定です。
以後は、簡単な研修受講だけが残される予定になっています。
※厚生労働省WEB『第221回国会提出法案』「社会福祉法等の一部を改正する法律案(令和8年4月3日提出)」より
主な仕事内容
ケアマネジャーの仕事はケアプラン作成がメインですが、働く場によってさまざまな業務があります。
資格の活かし方は様々ありますが、主な「場」は以下の3つです。
介護保険施設ではここ最近の人手不足のため介護の仕事をしながらケアプラン(施設サービス計画書)を作成する人が多く、専業の割合は少ないです。
地域包括支援センターはケアマネジャーの上位資格である「主任介護支援専門員」の資格が必要です。
そのため、ケアマネジャーを専業としたいと考える人はまずは居宅介護支援事業所で働くのが良いでしょう。
いずれにしても利用者や利用者にかかわる家族、それを支える専門職の事情を俯瞰的に把握し、それを踏まえたうえで適切なプランの立案や介護の助言をするのがケアマネジャーです。
とても難しい役回りですがそれゆえにやりがいのある仕事です。
ケアマネジャーの年収

ケアマネジャーの年収はここ数年400万円~500万円ほどです。
福祉職の中では高めの年収です。例えば介護職は380万円ほど。
ただ、平均年齢が高めの職種であることも関係しています。
ケアマネジャーになるメリット
ケアマネジャーになるメリットは以下の3つが考えられます。
ケアマネジャーは、デスクワークに近い働き方が期待できるため肉体的な負担感は現場の介護職に比べると少なめです。
夜勤による体調不良や、腰痛などに悩まされている介護福祉士の方などは、自身のスキル・キャリアを生かしつつも、負担の少ない業務に転換できる可能性があります。
施設務めで完全にはケアマネジャーの仕事をしない場合でも、資格手当等で給料が上積みされる方もいるでしょう。
また、実務研修等で相談援助技術なども習うことができ、スキルアップやキャリアアップにもつながります。
まとめ
ケアマネジャーになるには、まず受験資格を満たすことが必要です。
ポイントをまとめると、
- ケアマネ試験には受験資格がある
- 介護福祉士などの資格を持ち、5年以上かつ900日以上の実務経験が必要
- 試験は年1回、例年10月に実施
- 合格率は20~30%程度
- 試験合格後も実務研修と登録手続きが必要
「ケアマネになろうか迷っている」という段階なら、まずは自分の実務経験年数を確認してみましょう。受験資格を満たしていることがわかれば、資格取得までの道筋がかなり具体的になります。


